気がつけば、2017年もすっかり明け、、、おせち料理の残りが冷蔵庫にひっそりと潜んでおりましたので、けんちん汁にいたしました。
ごま油を熱して、根菜たちを入れ、お塩を少々ふりかけ、火傷しない程度に炒めます。
一番だしに、お酒、薄口醤油、みりん、干し椎茸の戻した汁を入れて、薄味のお吸い物くらいの味に調えたお汁に、炒めた根菜たちと、戻して刻んだ干し椎茸をいれて、弱火〜中火でのぼせない気持ちのいい火加減で柔らかくなるまで煮ます。
火を止め、お味噌を溶いてそのまま置いておく。
食べる前に火を入れ、沸騰する前に火を止め、お椀に注ぐ。
小口ネギ、ミョウガ、ゆずを添えていただきます。
何をどれくらい入れて、どれくらい調理するかは、その時の食材たちと食べてくれる人たちの顔ぶれが教えてくれます。
しかし、それは魔法でも、私の特別な能力でもなく、日々の対話や観察からわかるものです。
食材の個性、調理器具の個性、そして、人の味の好み、、
なんども対話して、試して、わかることです。
新しいお客様にお食事を出すのは、特に気を使います。
直接お話しをしなくても、その人の言動、顔色、振る舞いを観察します。
そうやって、その人がどんなお食事が好きか、想像します。
何より、召し上がっている姿を見ていると、その人の好みがわかります。
「これが好きなんだな。」「これは苦手なんだな。」と。
お食事が進んでないものがあるときは、その人に理由を尋ねます。「好き嫌い」「味のこのみ」があるのは当然のことです。
その感覚を大切にしていただきたいと思っています。
また、その日はたまたま調子が悪くて、食べられないということもあるので、その人に聞くのが一番確かです。
それが次回につながるわけです。
そうやって、お料理はおいしくなります。
魔法ではありません。
日々の対話です。