家から見える空があまりにもきれいだったので、やっていたお掃除をそのままにして、浜辺まで走って、写真を撮りに行った。
2年前から同じ空の下にいるはずなんだけど、今年になって、初めて、「夕陽がきれいだ」って思うようになった。
あんまり綺麗で、泣きたくなった。
私の実家は、天草というところで、同じように海と空が綺麗なところだ。
ばあちゃんと一緒に夕方、よく波止場にいった。
ばあちゃんは、そこで、私とばあちゃん以外誰もいないのを確認すると、大声で、「チョウヨーハナーヨー♪」と、民謡を歌い始める。
私は、それを波止場の端っこに座って、夕陽を眺めながら聴いていた。
「さ、帰ろうかいね。」
そのときのばあちゃんの顔が好きだった。
この空も天草の空と繋がってる。
この海も天草の海と繋がっている。
私がどこにいようと、すべてはすでにつながっているのだ。
なにもしなくても、すべてはすでにつながっているのだ。
「安心してここにいればいい。」
「そうしよう。」
そんな気持ちにさせた夕陽だった。